有名な一部上場企業で働いていたけれども、ムダで不毛なお仕事いっぱい。ブラックで有名な業種&会社だったので仕方がないかな?
実際に経験した、しょうもない出来事についてまとめました。
「こんなのブラックじゃないよ」「下には下がもっといるよ」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
さもこれが、新卒社員に人気な東証一部上場の常連の大企業だと思うと、日本の製造業の未来に一抹の不安を感じます。
理系ブラック企業の代表的業種
東証一部上場企業の歴史ある大手企業だったのですが、「この程度なのかな?」と思ってしまうような残念で寂しい出来事がたくさんありました。
電通を皮切りに大手企業でもブラックな実態が浮き彫りになりましたね。
私が以前、ブラック企業として「激務薄給」で有名な東証一部上場企業に所属していました。
毎日23~24時まで残業するので、帰る頃には日付が変わっていることもしばしば。世の中には「家に帰れない」という人もいるので「まだまだぬるい」と言われてしまうかもしれませんが。
絶対に成果が出ないのがわかっているのに進める検証やプロジェクト。
うまくいかない苛立ちから、午前中の3時間ずっと上司から罵倒され続ける…という不毛な時間もたくさん費やしてきました。
土日は疲れがたまりすぎていて、体に悪いこと知っていながら夕方までずっと寝ている日もかなり多かったです。
転職して年収150万アップして、前の会社に在籍している非管理職の上司や先輩たちよりも年収が高くなりました。
正直、心の中で「見返すことができた」「あなた方には十分に評価されなかったかもしれないけど私を評価してくれる職場はあったよ」といった、ちょっとした黒い優越感があったのは事実です。
そんな体験談から仕事を始めたての社会人でさえ違和感を覚えた、理不尽?不毛な?理系のブラック企業での出来事をまとめました。
理系のエンジニアには有名な、ブラック業界のブラック企業でのプチブラックな出来事です。
マジクソエピソードがありましたら、コメント欄にご記載をどうぞ。
どこの会社も同じようなカンジなのかもしれませんね。
事務所で飛び交う怒号
見せしめの意味もあるのでしょうか。事務所で非常に大きな音量で叱責があります。
時には午前中いっぱい、怒鳴られること業務時間が終わる場合もありました。
もちろんこの怒られている最中は他の仕事は全く進まないので、まるまる3時間分の業務は残業になります。
それに、他の人がただひたすら怒鳴られている状況を見ているのは、あまり嬉しいものではありません。
ただひたすら不毛な時間。
その3時間があったら、あなたが叱責している失敗はリカバリーできるよ!
上司の長時間残業の武勇伝
俺が若い頃は残業100時間200時間が当たり前だった。今は残業規制があって、長時間残業をしないから、最近の若者は楽できていいな。
出た、典型的な長時間残業を自慢する忙しい武勇伝です。
パソコンがない時代なんかですと、現代と比較して効率が悪いのは致し方がないとは思うのだけれども…
でも、だからなんだというんだ。もう、そういう時代には終わりを告げて頂きたい。
そして、この手の話には、仕事で最も大事な”成果”については語られません。
残業100時間200時間して得られたビジネスの成果はいったいなんだったんだろう?
長時間残業=偉い!頑張っている! の図式は本当にやめてほしい。
午前0時を過ぎた事務所での、残業自慢話は耐えられません。
トラブル対応の業務スピードでふだんの開発業務を行う
一般的に、業務内容や仕事の優先度によって、業務スピードも変わるかと思います。お客様のクレーム対応であれば寝る間も惜しんで対応、確かに如何ともしがたい理由がある場合があります。
例えれば、200m走のスピードで10,000m走らされているような感覚でした。
上司は「忙しいのは今の数か月だけだ」「営業や工場はもっと大変なんだ」と言っていたのだけれども、結局「極限に忙しい」状態が2年続きました。
新商品開発は年数かかる開発も存在し、私のプロジェクトは3~5年程度かかる研究開発業務でした。ですが、毎月残業の上限を超える仕事量で「短期の忙しさだから辛抱だ」と言われ続けました。
上司は「今だけなんだから気合を入れろ」「ここ一番の正念場だ」と。確かに、上司の言う通り、短期間であれば乗り切れるような負荷でも、ずっと続くのであれば無理が生じます。
日々の業務でずっと「今が正念場だ」が続いて、常に糸がピンと張って状態のようなものでした。
毎日全力疾走で働いていたら壊れるよ!
一度失敗した条件でそのまま実施→当然次も失敗する
どうしても研究開発のお仕事は、トライアンドエラーの繰り返しになります。
一回でうまくいくことなんてまずありません。
それは当然なんですが、だからといってやみくもにエラーを繰り返しても何にもなりません。
前回は条件が悪かったんだ。次はうまくいく。気合が足りないんだ。
その悪かった条件の原因をしっかりとして突き止めてはっきりさせなければ、当然もう一度同じ失敗をします。
失敗するのわかっていて作業しなければならないのは、本当に時間の無駄ですし、精神的にも苦痛です。
気合いでモノづくりはできません。その不毛な努力の押し付けは今すぐやめてください。
3か月も同じようなことを繰り返したまま、残業時間がカンストしています。
1日の労働時間をガン無視
明日の朝一までに、8時間かかるAの仕事と9時間かかるBの仕事、どちらを優先しますか?
どちらも優先順位が高いから両方行え。
ビジネス書を読んでいると「効率的に仕事を行うためには仕事に優先順位をつける必要がある」と書いてあります。
「その優先順位は、上司に細かく確認して判断間違いをしないようにしなければならない」とも書いてあります。
でも、ブラック企業の上司は「その仕事は後でいい」という判断はまず行いません。
もしその優先順位の判断が間違っていた場合に、自分が責任をとらなければならないからです。
また優先順位の判断ができかねる、よくわからないということもあります。
デスクワークと違って、エンジニアの実験には時間がかかるものが多くあります。
メールだったら20分、資料作成も20分、デスクワークはデッドラインを決めてそこまでに集中的に行いは時短になることが多々ありますが、実験の場合、どうしても作業の時間が必要な場合があります。
料理をイメージして頂くと、どんなに技術を磨いても、魚を捌くのには一定の時間がかかるので、一人でA魚を10,000匹捌くのに8時間かかるとしたら、その日はB魚を12,000匹捌く作業を並行には行えないと思います。
この魚を捌く作業を煮込み作業と一緒だと思われて、「魚を捌くのなんて、8時間つきっきりの作業じゃないから他の作業もできるだろう」と怒られている、とっても理不尽で震える、そんな状態でした。
労使に目をつけられるから当然サービス残業
最近では、企業コンプライアンスから、大手企業では残業規制が厳しいため、残業時間が多いと人事や労務から指摘が入ります。
ですが、残業時間を減らせといっても、仕事量は変わらない。
残業をすると上司に怒られる。仕事が終わらないと当然上司に怒られる。
当然行き着く先はサービス残業。
「効率化が足りない?」どんなに効率化しても限界はあります。
上司、あなたのその指示は、例えるなら「東京ー大阪間を徒歩で2時間半で行け」と言っているようなものです。
新幹線がある他社ならできます。でも、うちの部署には徒歩しか手段がないんです。
物理的にこなせない仕事量の指示っていうのは、企業は存在すると思います。
「努力してなんとかなる」のラインを超えた仕事量でした。
メモを取るな!と怒られる
メモを取るな!
通常、新入社員研修やビジネス書で当たり前のようにメモは取れというアドバイスをもらいます。
むしろとりあえずメモを取ることで「話を聞いています」「やる気があります」アピールにもなる、と書いてあることもあります。
なのになぜ「メモを取るな」という指示が来たのでしょうか?
おそらく、メモを取ることで発言を残す=言質を取ることになるからです。これは上記の「責任を取らない」に繋がります。
メモを取っておけば、「あの時ああおっしゃいました」「こういう指示をいただきました」とあと後で視聴することが可能です。
そうすると、後から適当なことは言えなくなります。
だから「メモを取るな!」という指示になったのだと思われます。
「メモを取られて記録として残ると都合の悪いような業務指示は出すな!」と強く言いたいですね。
報告資料がやたら多い
業務の進捗を記載する報告資料が大きく分けて3つありました。
日報はOutlook mail、週報はExcel、月報はPowerPoint。
それぞれの形式が違うので、報告資料を作るために同じ内容であっても書き直しです。
コピペしたら、違うと言われました。
確かにそうですよね、形式が違うから大きさなんかもリサイズしないと見にくくなりますので。
「なんで、同じ内容の資料を何回も作り直さなければならないんだ!」
いくらなんでも生産性がなさすぎる。
大企業病で仕事のできない上司たち
巷で言われている大企業病。
正直、だからといって「中小企業だと仕事ができる」という逆が成り立つわけではないが、やはり大企業特有の環境が生んだ「仕事ができないおじさん」はかなりいる。
分業化・外注化の弊害、社内に技術力の蓄積がない
大企業の分業化。分業化されているといわれているけど、下請け会社に仕事を割り振りして納期管理しているだけで、何も仕事をわかっていない社員が多いと感じます。
でも、大企業だから、仕事を受注したいから、もち上げてくれる人はいっぱいいます。
そういった意味では、納期管理をするのが大企業の業務であり仕事のスキル、とも考えられます。仕事のできるできないの議論はおいといて。
そのため、企業として長年従事していた業務や仕事の領域のことでも、知識の蓄積がほとんどない場合がありました。
「御社の高い技術力」新卒採用で決まり文句のように志望動機で使っていましたが、「高い技術力」という言葉で笑ってしまいそうになるくらい「ノウハウの蓄積がない」そんなこともざらでした。
分業化・外注化依存で自社生産なんてムリ
ですが、近年のコストダウンや競争の激化によって、メーカーは差別化を求められています。
今まで外注メーカーに頼りきりだった仕事を自社生産して内製化することで、中間マージンを減らし、コストダウンを行おうと画策していました。
ですが、経営層は現場の実態をわかっていません。実際は大手といえど外注に頼りきっていた企業には社内にノウハウの蓄積がありません。
経営層は簡単に自社で生産できると考えていますが、所詮は外注メーカーに指示をしていただけの立場なので、ものづくりをすることに関していえば全くの素人です。
具体的にどのメーカーの原料を用いて、どういった生産条件で行い、生産の際に気をつけるべき注意点は何なのか、そういったことが全く分からないので、自社生産しようがありません。
本当はその生産の条件の検討から行わなければならないのですが、経営層はそんな検討行わなくても、ポンと簡単にできると思っているので、条件検討を行う時間は考慮されていません。
生産条件が全くわからない中、生産条件を検証する時間がなく、ただただ成果を求められる現場の開発職。地獄のような日々でした。
「生産条件は外注メーカーに教えてもらえ」と上司から指示をもらったこともありますが、外注や下請けメーカーの方が教えてくれるわけがありません。
生産のノウハウこそか企業の財産ですし、 生産のノウハウを教えて、取引先メーカーが自社生産を行い始めたら自分たちの仕事がなくなるのは目に見えていますので。
なんだろう?そんな初歩的なこともわからないんだろうか、若手が聞いたら、外注先メーカーでも教えてくれるとでも思ってるんだろうか?無茶ぶりにもほどがある。
責任の所在をはっきりさせないまま働く管理職
大企業は人数が多く、責任の所在があやふやになりやすいためか、 今まで責任をとって仕事をした経験が少ない管理職が多く、責任をとらない管理職がほとんどです。
プロジェクトがうまくいかなかった場合、経営層は部下の無能を嘆き、叱責し、中間管理職は上司の命令だからとプロジェクトの本質、真の目的や抜本的な対策案を考えることをやめて部下にすべての責任を押し付けるため、現場の実働の一般職は限られたリソース(予算やや時間、マンパワー)、全くノウハウの蓄積されてない知識ゼロの状態で、 成果を求められることになります。
こんなに大きなプロジェクト、こんなに限られたリソースで本当に成し遂げられるのだろうか?
失敗を一般職のせいだと嘆いて「失敗した責任はお前のせいだ」となじるのは結構ですが、失敗した時の責任が大きい大きなプロジェクトでたかだか20代の若手の一般職が本当に責任を取れるのでしょうか?取れると思ってるのでしょうか?
非常識!定時時間内に睡眠、残業代を稼ぐ人
なによりも衝撃的だったのは、「定時時間外に男性用トイレからいびきが聞こえる」ことです。
残業代がほしくて、定時がすぎても帰らない。でもやることもないから、トイレの固執で睡眠をとる。
日付が変わってからの帰宅が毎日続いてた社会人3年目にとっては衝撃的過ぎる話でした。
年功序列の日本企業、トイレで寝ていた人の方が当時の私よりもおそらく給与は高いはず。
理不尽さにゾッとしました。
非効率な業務でビジネススキルって身につくの?
3年間経った時にふと思ったのです。
こんなことしていて、私にはビジネススキルが身についているんだろうか?
転職して違う環境で働き始めてわかったことは、「ブラック企業で行っていた仕事を通じて、直接に得られたものは何一つなかった」ということでした。
転職の際に評価を得られた能力も、転職してから役に立っている能力も、独学で身につけたり、自発的に行っていた行動でした。
間接的には、ブラック企業での経験から得られたこともありました。
ブラック企業として、そこそこ極限状態にあったからこそ、「自分の仕事の仕方を見直そう」と努力しました。
ビジネス書をたくさん読んで自分の業務内容の改善を行ったり、常に自分のプロジェクトの目的を考えて、情報収集や改善案・新規案を提案していました。
ブラック企業で無謀な仕事量を丸投げされていたため、自分で考えるクセはつきました。
そういう意味では、ブラック企業にいたからこそ 今の私のビジネススキルがある、とも考えられますが…直接的にはブラック企業に所属しているメリットは全くありません。
ブラック企業での経験は、ただムダに自分の時間と体力と精神力を削っていただけ、成長は自発的だったといえます。
ブラック企業に所属していても、なにも得られるものはありません。
不毛に自分の時間と体力と精神力が崩されていくだけです。
転職するか否か
高額な給料をもらえる大手一部上場企業だったら、たとえブラックだったとしても、ビジネススキルを磨かずに社内政治のスキルを磨いて、高給で安泰に過ごすという人生の選択肢もありました。
でも私の場合には、激務薄給で有名なブラック企業に勤めていたので、給料アップは見込めません。
ブラック企業でしか通用しないでスキルを身につけたところで、仕事もできるようにならず、給料も上がらない、精神的肉体的にも疲弊する…なんだかしょうもないなと思いました。
「20代の働き方は一生の働き方を左右する」
この言葉を見た時に、後悔しない20代、成長できる20代を過ごしたいなと思いました。
そして、転職して感じたのは、「今の環境が自分を認めていないだけで、本当は他の会社だったらもっと評価される」は、あります。
私の周囲には、私以外にも、転職前の企業で15人程度、転職先の企業で15人程度、転職経験者がいます。
転職した人の多くが、「転職で年収がアップ」したり、「のびのび仕事を楽しんで」いたり、「高い評価を受けたり」しています。
もしかしたら、あなたも今の職場で評価で損をしているかもしれません。
私が所属していた会社は薄給で有名でした。
転職しすることで多くの先輩の給与を大きく上回ることができました。
見返してやる…!
と思って転職活動を行っていましたが、無事に見返してやることができました。
正直、優越感があります。
正直、ちょこっと性格悪いなぁ…って思うこともありますが、転職して自分を認めてもらえるようになって、しかも認めてくれなかった人たちよりもお金をもらえているのはうれしいです…
しかもブラック企業時代に散々「仕事ができない」とののしられていましたが、転職先では十分に成果を出せていて、しかも「仕事が速い」とほめられています。
まとめ:自分の可能性は無限&レールの外には広い世界がある
最近の「残業時間削減」とは逆行するような古き良き慣習、果たして日本企業の構造は変わっていけるのでしょうか?
全く文化の異なる、いわゆる今のゆとり世代が管理職になる頃には、悪しき慣習がなくなっているかもしれません。
いや、そもそも社会の変化に企業がついていけず、企業そのものが生き残ってないかもしれませんね。
製造業の未来はあるのでしょうか。
転職してよかった
前職を辞めるときに他の部署の先輩から「こんな部署でやってこれたんだから、どこでも通用するよ」と言われて送り出されました。
自分が思っている以上に、自分の中には可能性があります。
閉じた環境では、周りの人にも自分でも気がつかない、もったいないことになっているかもしれません。
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